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北鎌尾根その2 12/26~12/28

投稿日:2011年1月13日 更新日:

26日 風雪(やや弱まる)
800 P5・P6のコル~1000北鎌のコル~1430 P8・P9のコル
多少寒いが、明らかに昨日よりは暖かい。しかし、天候回復について半信半疑のため、しっかり明るくなって、行動の見通しがたってから出発。
P6は簡単に千丈沢側からアイゼンで越える。次に藪のナイフリッジのP7を登る。P7からの下りで道を間違え、5mほど登り返すが、ワカンを着けて万歳ラッセル。大量降雪だ。
無事に下りた北鎌のコルでストックを突いたら、雪庇に切れ目がきれいにでき、肝を冷やす。切れ目は末端から3メートルで長さは10mほどで、半円状をしていた。緩いコルであり、墜ちても問題はないと、安心していたが、実際起こると怖い。「大量降雪後は樹林帯といえど危険。」当たり前のセオリーを思い出す。これからの斜面と雪の状態を考えると、ロープをつけることにする。
北鎌のコルからP8への登りは急なダケカンバ帯で、雪庇と雪崩を警戒してロープをつけて腰から胸の藪ラッセル。途中の尾根上で雪崩のあとも見える。破断面は1mほどであろうか。この尾根は、支尾根が錯綜しており、下るのは注意が必要。
最上部になってようやくワカンを外し、P8へ。ようやくアイゼンワカンの世界から解放された。そのままリッジを越え、岩小屋の下にテントを張る。まだ引き返すことも考えていたので、独標まで突っ込むことはしなかった。
夜、ラジオを聞くと、明日は寒気が復活し、その後も冬型が続き、年末31日に大寒波到来と教えてくれる。明日の寒気情報は残念だが、31日の大寒波の情報はありがたい。いままで長期予報を教えてくれなかったから。ニュースから考えるに、30日までに大槍を抜けられる目処がたたなければ、ここから帰ることになる。しかし、計画段階で予想していた、「高気圧に覆われて1日晴れる。」なんてことは望めない。結局、今日くらい弱めの冬型を狙って、行動してみるしかないのだろう。予備はたくさん(6日)あるのだから、やるだけやってダメなら帰ればよい。

冬型が少し緩みだした。
IMGP2202.jpg
P8の登り。藪が。。。
5.jpg
P8の登り。写真上部に雪崩の破断面が見えた。
27日 風雪のち晴れ
800 P8・P9のコル~1230独標巻き終わり~1600 P14岩陰
昨日緩んだ冬型が寒気でまた復活。少なくとも午前中は悪いとのこと。昨日見えていた独標も全く見えない。風も明らかに昨日より強い。しかし、翌日夕方には低気圧が接近するとのことで低気圧前面の晴れが期待できる。少なくとも31日の寒波到来までにチャンスはあるだろう。そのため、今日は少々強引であるが突っ込む。今日の行動が無理なら、ここに戻って籠城すればよいだけの話。
 P9の登りは霜ザラメのモナカ雪で、少し苦しむ。傾斜的にも雪崩が怖い角度である。独標は強烈な西風に叩かれながらロープを出して巻くことにする。引き返しのポイントを探っていたが、この気象なら何とかなりそうだと考えて、進む。
独標トラバースでの、最初の2ピッチは雪崩を警戒していた。3ピッチ目は、穂積のルートファインドが光って、うまくこなせた。風がなければ全く問題にならないルートだが、風が強い今は、無理な行動ではないが、苦しい。昨夜テントで完全に乾かしたファン付きゴーグルも眼鏡も凍り、すべて外さざるを得なかった。目を開けることすら苦痛で、ときどきあまりの苦痛で、しばらくの間、風に背を向けて両手で顔を覆うことすらあった。
結局全5ピッチで、ルートも風雪でよく見えない中、なんとかルートを見つける。最後はルンゼをダブルアックスで3ピッチ出してつめ上がり、独標を巻いた。
独標を越えたころから太陽がうっすら見えだし、これで何とかなると一息つく。しかし風は相変わらず執拗に吹き、ただ歩くだけと考えていたルートは、予想したほど易しくなく苦しむ。穂積は「何なんですか、この風はっ!」と言う。
いくつか岩峰を巻いて、P14を越えた岩陰に幕営。風が強くて発狂しそうな日であった。
2人とも予想通り顔面凍傷。革のシングルブーツの穂積は足の親指も凍傷。指先の横側が少しだけ青くなっていた。
夜には完全に風が止む。明日は予定通り低気圧前面の晴れが期待できるようだ。今日の行動で、大槍を超す見通しがたてられた。

天気図を見ても、この天気図でどうしてあれほど風が強いのか理解できない。
6.jpg
独標巻きの最後、ルンゼをダブルアックス。
28日 晴れのち雪
 700 P14岩陰~1030槍ヶ岳~1730新穂高温泉
ようやく低気圧の前面で晴れた。風もない。北鎌尾根に入ってからようやく晴れた。前面のため、気温もだいぶ上がった。
P15を大きく千丈沢側から巻き、大槍を越える。大槍の登りはロープは出さない。結果的には、ロープが必要だったのは雪に関連した部分のみであった。
ようやく槍ヶ岳頂上である。後ろを振り返ると、北鎌は既に雲に覆われていた。前線に入る前にさっさと中崎尾根に入りたい。
大槍をこわごわと下り、中崎尾根を通って槍平まで。槍平手前でようやくトレースと人に出会う。トレースはどうやら大喰西尾根に続いているようであった。槍平からはトレースをタカタカと歩くが、途中の小さな沢でトレースが一旦消えていた。トレースから考えると、3時間以内に起こった雪崩だ。こんな小さな沢でも、この気象では当然雪崩があるのだなと驚く。
新穂高温泉に着いても当然バスはなく、翌日高山に下りた。

午後には崩れたが、素晴らしい天気。
7.jpg
ようやく晴れた28日 富士山が奥に見える。
IMGP2220.jpg
独標までずっと見える。
IMGP2221.jpg
奥に大槍と小槍が見える。
8.jpg
北鎌平に上がる。
9.jpg
大槍の登り
IMGP2233.jpg
下山
冬山らしい冬山だった。冬山はすばらしい。

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