憧れの劔尾根へ、、試練を乗り越え完投できました!それでもまだまだ僕らは成長途中、今後どんな山行をしようか、期待が膨らむ。
メンバー:ドロ(Ⅲ、記)、とうか(Ⅲ)
時間記録
1日目:
馬場島 2:55
林道終点 3:40
白萩川再合流 6:40
P1614 9:20
池ノ谷出合 10:00
池ノ谷二股 12:00
R10取り付き 14:50
コルE 16:00
2日目:
コルE 5:00
コルD,フェース 5:50
コルC 8:00
門取り付き 9:55
門上部ルンゼ 11:20
ドーム 12:20
劔尾根の頭 14:20
長次郎の頭 14:40
本峰 15:50
1日目
朝起きると雨は止んでいてヘッテンをつけ舗装された道を1時間弱歩く。林道の終点に着くもどこに行けば良いかわからない。堰堤の横を登ろうとするもかなり急で、少し戻り堰堤手前の急な斜面を登ろうと試みる。藪漕ぎをしながら無駄に標高を上げ、道を外れてることはわかっているもののトラバース気味に登れば道に合流するがしれないと思い進んだが、1時間ほど登って流石に諦め懸垂で標高を下げることに。50mほど降るとやっとピンクテープが見えた。どうやら登り口はしっかりと印がついていたようだが暗いのもあり見つけ切ることができなかった。
ここで2時間ほどロスし、やはりルーファイには課題が残る。そうこうしているうちに雨も降り始め、濡れた葉っぱを漕ぎ分けびしょびしょになりながら早月川へ出る。前日までの降雨もあり流れは茶色く濁り水量も多い。小窓雪渓側に入り15分ほど歩くと雷岩が見えてくる。確かにここが1番渡りやすそうではあるが流れが強く足がすくむ。とうかがやってみたいと果敢にチャレンジ!ロープを出し確保しながら股下まで浸かりながらギリギリで渡渉する。これ以上水が多いと流されそうであった。
その後は小窓尾根までの急登を登り池の谷側へ降りる。300mほど歩くと雪渓が出てきて歩きやすい。二股までは雪渓が大きく崩れているところはなくクレバスを避けながら進んでいく。左股に入ると雪渓が二箇所ほど割れていた。それぞれでトラバースしたが、がれている箇所が多く荷物が重い状態だととても怖い。なんとか通過し、左股を詰めていくと天気も晴れてきて三の窓まで通しで見える。まるで空へと登り詰めていく気分だ。下を見ても左股は急で眺めが良く、スケールの大きい劔の岩に囲まれ心が洗われる。R10までは思ったより遠く、少し迷ったがスケールの大きなルンゼが右側に現れ、R10へ入っていく。雪渓を詰めて右側のルンゼを登り尾根へ出るのは滝谷と全く同じ構図である。100mほどルンゼを上るのだが、ここが思ったよりもがれていて時折大きな落石を落としてしまい危険を感じながらもなんとか登り遂に劔尾根へ。右股側の大きなテントサイトを見つけ優雅に就寝した。
2日目
朝起きると昨日とは打って変わり天気が良い。ごくたまに岩が濡れてはいるが、それでも最高のコンディションである。藪漕ぎレベル5くらいの松藪を漕ぎ眠い体に鞭を打ち必死に登る。三峰を越えるとフェースに出て、そこをドロがリードをする。靴を履き替えずに登ったため少し時間かかったが20mほどザイルを出して登る。
その後は藪漕ぎレベル8くらいの背丈以上のハイ松を尾根沿いに無理やり突破していく。しばらく歩くとコルCに着いた。ここからが核心でテンションが上がる。見たところスリングが垂れ下がった残置ハーケンが大量にありエイドには困らなさそうだ。リード用の軽いザックを背負いドロがリードスタート。5mほど垂直に登ってからは右上にトラバース気味に進むのだが、壁の角度が90度弱でキツく直ぐによれる。フリーで登れたら最高だなとか思っていたが、そんな余裕はなくなりセルフを取って休憩を取る。早朝の千石岩と同じ光景が流れ、ビレイヤーがとうかでいつも待ってもらってるためそこもある意味安心である。あぶみをかけテンションを挟みつつ右のカンテへ抜け、フェースを直上し40mほどでピッチを切る。全体的に岩が安定していて、残置も多数あったこともありストレスの少ない気持ちの良い登攀だった。
そのまま100mほどノーロープで登り門へ。門はがっつりクラックが走っており、クラック得意のとうかがウキウキでリード。あぶみを一つかけクラック沿いに新しく買ったカムをいくつも決め綺麗にリード。しっかりとジャミングを効かせるところもあり、朝練での経験がとても活きてきている。そのままドロリードで1ピッチルンゼをロープ出して再び尾根上へ。ドームの頂上へ着くと劔尾根頭から北方稜線が目の前に聳え最高のロケーションである。
ここからはコルBにおり上半が始まる。この時点で計画より早く進んでいたため今日中に行けるところまで行こうと試みる。上半はロープを出さなくても済むようなルーファイが鍵だと思って心構えをしていたが、自然なルート取りをすれば間違うことはなかった。一ヶ所左股側のチムニーが荷物を持ったままだとキツく、ショルダーを使い一段登った後、空身で登りザックを引き上げた。沢での経験がかなり役に立った。その後は劔尾根の頭を経由し長次郎の頭へ。標高も高くなり息が苦しくなるが、一歩ずつ踏み外さぬようにしっかりと登り切った。長次郎の頭からは少し降りて簡単なルートを取ろうとするが、雪渓が現れアイゼンを穿いて突破。1時間ほどで本峰へ、合宿より一足先に辿り着いた。その後は早月尾根をひたすらに下った。
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