こんにちは、3回の佐藤です。コーチに京大山岳部OBで立山山岳ガイドの松田さんに来ていただき、11月21日〜24日で富山県立山で冬山に向けた練習としてアイゼン合宿を行ってきました。
メンバー:
松田さおまんさん(コーチ)、佐藤Ⅲ、 谷本Ⅲ、 赤峰Ⅱ、池見Ⅱ、石金Ⅱ、加納Ⅱ、山田Ⅱ、伊藤Ⅰ、梅田Ⅰ、友久Ⅰ、能勢Ⅰ
時間記録
【真砂岳】
06:30 雷鳥沢BC
09:30 真砂岳
11:30 雷鳥沢BC
【浄土山】
06:00 雷鳥沢BC
07:00 室堂
09:30 一ノ越
11:00 分岐点
12:30 一ノ越
【龍王岳東尾根】
1日目
06:00 テントサイト発
07:00 室堂
09:50 一ノ越
12:00 龍王北西面取り付き
14:00 龍王山頂
15:30 室堂
2日目
5:00テントサイト
5:40室堂(1時間準備)
7:40一ノ越
8:20取り付き
10:50一峰
12:50本峰
14:00室堂
行動内容
合宿では、雪上訓練に加えていくつか練習としてアタックを行いました。アタック対象は2日目に真砂岳、3日目にパーティを分け、浄土山、龍王岳東尾根、下山日には下山組と龍王岳東尾根リベンジ組に分かれました。
雪上訓練
積雪量が少なく、搬送訓練や雪崩捜索は事前練習以上の効果が見込めないことから後日行うことにしました。
そのため今回はさおまんさんから冬山の基本である歩行とロープワークについて教えていただきました。歩行訓練は入山1日目のBC設営後に標高2350mの雷鳥荘付近で行いました。アイゼンひっかけをしないこと、フラットフッティングや歩行姿勢の重要性など基本的な部分を中心に指導していただきながら2時間ほど歩きまわりました。
ロープワークは入山2日目の真砂岳下山後に行い、ピッケルを使った支点構築、腰がらみ、スタンディングアックスの肩がらみを全員で行いました。ピッケルの支点構築は、雪を踏み固め、深さ30cm以上にピッケルを埋め、スリングを斜面下方に伸ばし、荷重をかける方向をなるべく下側にすることで、動荷重にも耐えうるような強固な支点を作ることができました。また、通常使用するようなビレイデバイスによるビレイと比べて腰がらみ等のビレイは、迅速に行うことができる点で優れており、支点となるような木や岩が無い場合に特に有効であると教えていただきました。
真砂岳
4時起き6時出発する予定が、準備が遅れ6時半発となってしまいました。積雪深は20cm前後で、BCから橋を渡ったところでビーコンチェックを行い出発します。
先頭を順次交代しながら登り、傾斜の緩い場所で2度ほど休憩を挟みましたが、次第に視界が悪くなり、風も強まってきました。しかし雪崩の危険性は低く、頂上も近いので、登り続けることにしました。頂上で写真を一枚撮ってもらい、素早く下山しました。
下山後にロープワークの訓練をしました。
浄土山
一ノ越で龍王パーティと分かれ、浄土山を目指しました。積雪深は深いところで30〜40cm、吹曝で浅いところでは岩肌が見え隠れしていました。1時間弱歩いたところで富山大の観測所に到着しました。振り返って考えると意味不明ですが、「こんなに早く着くわけない」と勘違いし分岐から龍王岳の方へ向かってしまう。20分ほどで龍王岳山頂に着き、誤りを悟って分岐に戻ることに。龍王山頂から降りると、そこには龍王パーティがいました…。視界が悪く、尾根を見誤ってしまったらしいです。分岐から浄土山を再び目指しましたが、あまりの視界不良により断念しました。そこから30分ほどで下山し一ノ越に戻ることができました。
龍王岳東尾根
1日目:視界不良により敗退
室堂から一ノ越を経て龍王岳を目指すが、視界不良のため誤って別の尾根に進んでしまいました。サオマンさんの指摘で間違いに気づき、予定変更して登山道から龍王岳北西の岩場を練習として登ることに。
2日目
さおまんさんからの提案で、下山日に残れるメンバーで龍王岳に再挑戦しようということで谷本、佐藤、加納の3名は下山組とBCで別れ5:00に出発しました。
悪天候を耐え抜いた3日目はピーカンで最高のコンディションでした。龍王岳東尾根を目指し、見事な景色に心躍らせながら一ノ越を通過しました。この日は取り付きまでスムーズに進めました。取り付きからは2ピッチをロープで登り、それ以降は難易度が低めと判断してフリーで進行。雪と岩を交えた尾根登攀を楽しみながら、一峰から四峰へ慎重に進む。最後の登りではチムニーを狙い、難易度Ⅳ級のルートをロープを出して突破しました。
下山も快調に進み、充実した一日を終えました。
感想
合宿3日間の行程の中では天気や積雪に恵まれず、アタックだけでなく予定していた雪上訓練も十分にできなかったので、この後の山行で時間を取って行う必要があると思いました。そのような中でも、コーチのサオマンさんから技術・知識面で色々なことを学ぶことができました。ご多忙の中、参加していただきありがとうございました。今回の学びを活かして、さらに充実した登山ができるよう今シーズンも頑張りたいと思います。
コメント