すでに3か月が経過してしまいましたが、3月に頸城スキー縦走に行ってきました。
メンバー:CLドロップⅢ、SLトウカ、ジェームズⅡ、ハンケツⅡ、マウンティⅠ
行動記録
3月18日(晴れ)
6:20 大橋登山口
10:00→10:50 佐渡山→ピットチェック後滑走開始
12:30 林道合流
15:00 乙見湖
16:00 ヒュッテ
(9時間40分)
3月19日(雪、停滞)
3月20日(晴れ)
3:00 ヒュッテ
5:30 12曲がり終わり
7:50 黒沢岳
11:10→11:30 火打山頂→滑走開始
14:30 影火打先の稜線復帰
17:45 胴抜カ切戸(14時間45分)
3月21日(晴れ、強風)
5:25 胴抜カ切戸
7:30 焼山
8:50 滑走開始
10:15 滑走終了
11:00 溶岩流から抜け出し
13:35 駐車場
(8時間10分)
行動内容
3月18日
レンタカー返却時間ギリギリでなんとか車を配置しおえて辿り着いた大橋登山口ではみぞれのような雪が降っていた。こういう時はとにかくテントが凍る。朝起きるとバリバリになってしまい、ヒュッテで乾かせなければかなり悲惨な縦走となっただろう。しかし、シールや板が凍ってしまいうまくつかない。前日につけておけばよかった。ストックも凍っていてジェームスのは壊れてしまった。ストックも長さを調節してから外に置くべきであった。
天候は晴れで頚城の山々がよく見える。ジェームスはおった枝でなんとか登っていく。特に迷うことなく進む。高度を上げると右手には黒姫山、左手には高妻、乙妻山が明瞭に見えてくる。どの山を滑るのに楽しそうだ。傾斜が急になるにつれマウンティが遅れ始める。登る技術と体力にはまだ課題があるものの経験を積むしかない。
山頂につけば、妙高から火打、焼山までよく見え、縦走路を確認し、意外といけそうだと思う()。登ってる際にクラスト層の上の昨日の新雪の層が崩れる感覚があったため、コンプレッションテストを行う。そこまで悪くはないうえ、樹林帯でもあるので問題なしとして滑り始める。比較的重い荷物を背負っての滑走は心配だったが、とうかが普段と同じように劇的に上手い滑りを魅せる。2回生もそれぞれ上手に滑る。マウンティは怖かわっていたが、だんだんと慣れていっているように見えた。ただ、1時間ほど滑ると疲労が見られ、ペースが遅くなる。結局、登るのとあんまり変わらないんじゃないかというスピードで下まで降りた。
そこからはダムを目指してひたすら歩く。気温も上がってきて雪がシャバシャバになりシールに付き雪だるまになる。とうかが持ってきてくれたワックスを塗ると多少マシになる。ありがたい。ダムまでずざっとおりて、ヒュッテまで歩き切った。思ったよりも時間かかったが、ヒュッテが最高のセーブポイントすぎる。全ての装備を乾かすことができ、ほぼ別の山行として1から始まる感覚だ。
3月19日
停滞
3月20日
1時おき、3時出発は流石に余裕だろうと思ったが、ぴったしギリギリだった。前日にヒュッテの食料を食い尽くし、お腹パンパンでスタートした。黒沢まで思ったよりも遠く、暗い中で無駄に高度を上げ危険なトラバースなどをする羽目になった。Jamesが去年行っていたおかげで黒沢を特定し、橋がかかっているのかスノーブリッジなのかよくわからないところを渡った。ここから12曲がりはかなり急であり、歩くとシューティングクラックが入るような斜面を一人ずつ通過してやっと尾根に乗り上げた。
ここからは別世界が広がっていた。だだったぴろい雪原が広がり夢のような眺めだ。うさぎが黒沢岳東の雪庇を崩しているのを眺めながら、黒沢岳を通過し、トラバースして稜線へ出る。火打も見えこれはいけると思うものの、なかなか近づかない。クトーをはいて登るもマウンティのペースが上がらない。頂上へ着くころには既に11時過ぎ。これは計画通りにいけないと焦り出す。
急いで滑走準備をして下る。影火打まで登り返すことになるかと思っていたが、北側に謎のスノーブリッジ(?)ができていて、つい滑り込みたくなり落とすことに。ひとまず落ち着いてシールをつけて登り返す。影火打の先のピークに登ろうと思っていたが、北側が滑れそうだとドロップがいい出す。反対を押し切って、再び滑走準備をして北側斜面をトラバースしていく。こっちの方が早い!と豪語していたが、トラバースで行き切ることはできずに尾根の登り返しが出てくる。そもそものトラバースもマウンティが疲れ切っていて10メートルおきに休憩してはたまに滑り落ちてしまう。危険なルート選びをしてしまったと反省する。ここで今日は胴カ抜切戸までしか行けないだろうと悟る。
ここから、稜線まで登り返すのだが、すでにマウンティはほぼ動けなくなっており一歩にかなり時間がかかるように。荷物を完全に解体し全員で分けて持ちゆっくりと登る。稜線にやったの思いで復帰して、最後の滑りだと気合を入れる。しかし、1ピッチ滑ったところでその先はスキーで通れるわけもないナイフリッジ、、これぞ縦走!計画が完遂できない残念さに支配されていた気持ちがここに来てテンションが上がる。少しドロップがシートラで先頭で進んでみてアイゼンが必要だと声をかける。最初は雪庇崩壊が怖いナイフリッジ。続いて凍った斜面をクライムダウン。さらに雪崩の恐怖がある斜面をひたすらにラッセル。一ミリも気を抜けないヒリヒリとした時間に酔いしれた。判決以外は僕含めかなり怖がっていた。セーブポイントで生きていることを実感しメンタルを整えつつ、最後は滑れそうな気がしたがもうシートラの方が早そうなのでテント地までシートラを続けた。着いた頃には日の入り直前で長く充実した1日が終わった。
3月21日
折れたテントポールで膨らんだテントがバタバタと強い風で揺れている。米からたくご飯も美味しく、かつ手惑うことなく起床から2時間半で出発できた。(3時間かかると思っていた。)ただ、折れたポールを片付ける過程で風が強くフライにささり穴が空いた。
今日の行程は昨日までの時間と追いコンを考慮し、昼闇には行かずに焼山北東大地を滑ることにした。焼山の登りはいつアイゼンが必要になるかわからなかったので最初からシートラをすることに。歩いてみると積雪自体は一部腰から胸ラッセルがあったが、斜度があったのでシートラ不可避だった。形が一様なのでいまいち進んでいるかどうかわからないが影火打との高さを比較して高度が上がっていることを確認する。時折、南から突風が吹きよろめく。上回生で順繰りにラッセルし最後はとうかの空身ラッセルで突破し山頂についた。
山頂付近はすごい風でスキー板が煽られ、まともに進むことができない。立って歩くと数歩で突風でよろめき、倒れる。風速15mくらいを超えるとやはり危険だ。岩陰に隠れて作戦を練る。焼山山頂の西まで歩くのはこの風では厳しいと判断してしまい(あとから考えると這って進めば良かったかもしれない)、元来た道を引き返し北面へトラバースすることにした。安全を考慮し、滑るのではなくそのままシートラで行く。歩きは問題なく、北東台地が見えた。
溶岩流をどのように超えるか考えつつ待望の滑走!最初の30度は超えると思われるルンゼの雪質は最高で少し滑落しつつ気持ちよく滑る。溶岩流を乗り越えることなく、上部でトラバースして台地に乗れると楽だと思われるので、西へトラバースすることに。しかし、尾根を1本超えると日陰でクラストしている斜面がまばらに現れ、板の制御が効かない。トップのドロップも2.3秒ほど滑落した気がしたが、セカンドのジェームズは上から降ってきて溶岩流がはじまるところまで落ちていった。幸い、お互い怪我はなく、後続に指示をしてルートを選び慎重に降りてもらうことに。ただ、距離が開きすぎてコミュニケーションがうまくとれず、後続もクラストしてる斜面にやってくる。ただうまくトラバースすることができて台地にスムーズに乗ることができた。一方のジェームズは登り返すことはできず、ドロップと共に溶岩流の中に入り、なんとかのっこすことを目指す。ぐずぐずになった雪庇が発達しており少し怖い。まず目に見えた雪庇が小さいところを越えようとする。しかし、切り崩すことができず一度滑り落ちてしまう。諦めて、二つ目の雪庇が小さいところでチャレンジ。ほぼ垂直になっている壁を崩しながら台地に乗り上げることができた。横埋めアックスでジェームズを確保し、その後にスキー板を引き上げた。なんとか全員無事に合流し一息ついた。
最後は台地の上をご褒美滑走。歩いてきた火打、焼山、真っ白な高松山などに囲まれ気持ちのいい滑りができた。シールをつけたり外したりし駐車場に着く頃には雪はシャビシャビで、ファットスキーが邪魔だった。駐車場ではタイミングよく警察が現れ、条例違反で指導または書類送検だと言われ、個人情報を全て明け渡し無事に山行を終了した。
コメント