比良 楊梅の滝(雄滝40m)

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日程・行動概要:2023年9月13日 9:40雄滝基部〜12:00 1P目終了点〜15:30 2P目終了点(雄滝上)

メンバー・学年:K岡Ⅲ(記)、ラムちゃんⅡ、トーカⅡ

↑雄滝1P目をリードする

↑雄滝1P目、終了点が近付く

↑雄滝2P目、左上の小さいハングを右から巻いて越えた

↑雄滝2P目、最上部をフォローする

↑トポ図?ルートどりもビレイポイントも自由に選べます。

[記録]

比良、楊梅の滝(雄滝)。この滝を見上げるのはこれで5回目くらいだろうか。ついにトライする日が来たのだと思う。

暑いほどに陽がさして、滝の飛沫が眩しく光っている。水量は平水かやや少ない程度。これ以上ないコンディションだ。あとは自分の実力次第。ロープをきつく結び、緊張に包まれながら離陸した。

1P目:K岡リード

 右手の基部を少し登ると早速リングボルトが登場。クリップしてから左手へ斜上して凹角を目指す。滝に対面して左手の凹角沿いの水流は雄滝の顕著な弱点で、ここしかないと常々思い描いていたライン。短時間で凹角の入り口まで達したが、ここからが1P目の核心だった。左のカンテが凹角へ向けて少々張り出しており、ここを越えるのがいささか怖い。足元にカムはとったものの、結構微妙なムーブで、フリーで確実に越えられるかわからないのでエイドを選択。

 左上の浅いガバにクリフハンガーをセットしてセルフビレイをとり手を自由にする。スタンスが外傾してあまり安定せず、うっかり体勢を崩すとクリフハンガーが外れそうだ。ハーケンを取り出し、クラックに叩き込もうとするが浅くて決まらない。水流が着実に体を冷やしていく。水を浴びながら祈るような気持ちで水流の中の岩をまさぐっているとクラックを発見。アングルを叩き入れて簡易アブミで立ち上がり、ようやく水流から抜け出して一息ついた。

 そのまま凹角沿いに登っていくが、全体にスタンスは外傾気味。タワシでお掃除すると少しはマシになるが、エイドに頼らざるを得ない場所も多い。岩は磨かれた花崗岩で、ハーケンが浅くしか決まらないクラックが多く、カムやトライカムの方が重宝した。

 ジリジリ上昇を続け、ロープを30mほど伸ばして左手の立木でピッチを切った。久々に心置きなく荷重できるアンカーをとってため息をついた。登り始めてから既に2時間弱。下で待つ二人はさぞや暇だったことだろう。フォローは支点回収もあるが二人で30分しかかからない。

2P目:K岡リード

 ビレイポイントからトラバースで水流に戻るのは難しく、3mほどのロワーダウンで凹角に復帰してから登り出す。

 1P目と同じく左手の水流沿いの凹角を登り、小ハングの下まで到達。ハング右手からエイドでまき登るしかないが見るからに苦労しそうだ。残置ハーケンも使いつつカムとトライカムを決める。流水の直撃を避けてハング下に潜りながらの作業なのでやや窮屈だ。簡易アブミに乗り込み、ハングを右から乗越す。時間がかかった。

 なおも凹角沿いに登っていく。水量は少なめになったが、まだ油断ならない。プロテクションをとりつつギアラックに手を伸ばすがスリングが残り3本ほどしかないのに気付く。つらい。まだ終了点まで15mくらい伸ばさないといけない。1P目のアンカーで消費した分のスリングを補充し忘れたが、後悔しても遅い。この場でピッチは切れないし、上部は乾いた岩で簡単そうなのでランナーは省略できるはず。残り数mの濡れた岩をなんとかこなすことに。

 エイド用にプロテクションをとってもスリング不足でクリップを省く場面も出てくる。フリクションコードもヌンチャクの足しにする。ハーケン打って荷重チェックしていると数回目で抜けて肝を冷やした。これにエイドしていたらと思うと寒気がするが、重ね打ちでバチ決まりして安堵した。ナッツ1個に荷重してクリフハンガーをセットしている時は心が震えた。クリフハンガーに立ちこんで乾いた岩に移り、慎重に登る。ラスト1本のスリングで立木に終了点を作った。

 フォロー二人を2時間以上待たせているので、すぐに重いロープを引き上げて笛でコールする。最初にクライムダウンが入るのでフォローも怖いはずだが、2回生だけあってそつなくこなす。やはりフォローはとてもスピーディに登ってきた。3人で滝の落ち口に立ち握手した。

 楊梅の滝を初めて見たのは1回生の8月で、その時は登るという発想すら起きなかったけど、不可能だったことが実現できたのは非常に嬉しい。同時に、ようやく大滝登攀の入り口に立っただけとも言える。本当に山って上限がない。

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