日程・行動概要:2023年12月3日 6:20駐車場〜16:00標高610m二俣〜16:40稜線上〜18:30駐車場
メンバー・学年:K岡Ⅲ(記)、トーカⅡ、ドロップⅡ、加納Ⅰ
墓地をあとにして水のない河原を歩いていると、すぐに3mほどの涸滝に出会う。フリーで越えた先には6mほどのスベスベの涸滝。右壁の顕著なクラックをK岡リード。残置ハーケンが多く易しめのエイドだが朝一で全然体が動かない。アブミの掛け替えで突破すると水たまりの先に面倒そうな小滝があり、これもまとめて越える。こちらの方が難しく、時間をかけた奮闘的なエイドになった(下でピッチを切ってショルダーで越えた方が良かったかも)。籠渡しでフォロー3人を迎える。
ロープは出さないものの、登攀要素の強い涸滝が続く。ショルダー、お助けヒモ、肩がらみビレイなど細かい補助が必要。トップがお助けヒモを出してもフォローが全員意地でも使わないのには笑った。
鹿の頭骨を眺めたりして歩いていると、8mほどの涸滝。井戸底から空を見上げるような壮絶な景観。クライミングシューズに履き替え、空身でドロップリード。フリーで綺麗に突破。K岡は沢靴で登ったが、滑らかな岩の上をフェルトソールがサラサラと滑って辛かった。ラバーの沢靴とクライミングシューズの併用が一番良さそう。
登り終えると目前にまた8mほどの涸滝。滑り台状で難しそう。巻くなら左岸かなと思うが、よく見ればカンテへと続くクラックがある。この美しい直登ラインを攻めないわけにはいかない。トーカがエイドでトライ。ハーケン2枚決めて立ち上がり、クラックにナッツをとるも、その先でハーケンが決まらない。試行錯誤を繰り返すが難しく、ナッツ一つで慎重にロワーダウンした。K岡にバトンタッチする。トーカが決めたナッツまで登り、その先ハーケンを決めつつジリジリ上昇。全体にハーケンが浅決まりでタイオフを多用せざるをえず気持ち悪い。今回は短いナイフブレードもアングルも小さめのナッツもなく、ほしいものがなくてフラストレーションがたまる。カムはほぼ取れず。弱いところは固めどりして流動分散で立ちこんだり、ハーケン重ね打ちしたり、クリフハンガー使ったり、あらゆる手を使った。残置ハーケンが1本だけあり嬉々としてクリップしたら揺れ動く代物だった。最後はトライカムにそろそろ立ちこみ、滝の落ち口に立つ。全体にプロテクションが弱めでメンタルに消耗した。ハーケン10枚程度、トライカム3つ、ナッツ2つ、クリフハンガー1つは使った。プロテクション不足でアンカーが作りにくいので、膝上の水深のプールを渡って大岩まで行きスリングを巻いてアンカーにした。この滝一つで2時間半以上かかった。
フリーで滝を一つ越えてから最後の涸滝。上部に長いナメ滝が続く。トーカリード。一箇所だけエイドするも、ランナーなしでステミング全開でナメ滝突破するので見てて怖かった。ナッツ2個のアンカーでフォローがテンションしまくるのも怖いが「ここは落ちても死なないんで」とトーカ。メンタルが強いというか、不慣れというか…。
↑最後の涸滝
その先のプールは腰くらいの水深がありそう。寒すぎて濡れたくないので左岸から巻くがいやらしくてリスキー。懸垂1回で沢に復帰。水線沿いの方が安全。
この先は難所もなく、水流が現れた沢沿いをひたすら歩く。沢をつめて霧の稜線に出てから938mピークに登り、休みなしで下降開始。ヘッデンで不明瞭な踏み跡を辿り、729mから北西へと下る。ひどく急な下りで落石もあり怖い。悲壮感漂うヘッデン下山も慣れると何も感じない。最後は個人宅の裏に出てしまい、地元の方に心配されて声をかけられた。
白山で平和に今シーズンの沢納めを終えたはずが、12月になって再び身を削るような沢をやってしまった(面白かったのでいいけど)。でも限界を越えるにはもう一歩必要だった。
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